森と芸術
目黒区の庭園美術館で開催中の「森と芸術」という展覧会を観てきました。
以下、カタログ序文、巌谷さんのすてきな文章を要約してご紹介しますね。
「森は人間の懐かしい故郷であり、十何万年の間、その周辺で暮らして来た人間にとって、森は生活資源の宝庫だっただけでなく、聖なる領域であり、神々や精霊たち怪物たちの住む別世界のようにイメージされていた。
およそ一万年前に、農耕をはじめ森をはなれて「文明」をいとなむようになった。
森を敬う一方、人間は、単なる樹木の集まりとみなし、伐採や開発によって破壊し続けてきた。
森は、もともと一種の大きな生命体である。
森の減少とともに、様々な問題が起き、人間は森を必要としている。
芸術が森をどのように描き、森を思い、森を懐かしみ、森をふたたび獲得しようとしてきたかを見ていく…」
なんで、自分か植物や森がこんなに好きなのか…その秘密が分かったような気がします。
世界中の様々なジャンルの森の表現、美しかったです。
絵を見る素晴らしさのひとつに、描いた人の魂と繋がれることがあります。
何百年前に描かれたものでも、観ればその人の見た生きた世界に行けるということが、すごく楽しいし、心が広がり気持ちいい。
庭園美術館は、森の中にあり、場所と展示内容が絶妙に合っていました。
森につつまれ、美術が抽出したエッセンスが染みわたり、魂がピカピカになりました。
震災や原発事故があってから、自然のうつくしさが本当に身に染みるようになりました。
当たり前だと思っていたことが、実はすごいバランスのうえに成り立っていたこと、生き物には自然や植物がものすごく重要で、失っては生きていけないのだなと今日あらためて強く感じました。
一緒に見に行ったアリアンナの松岡先生は、
「自分の中に森が充満した気がします」とおっしゃっていました。
それが、とても大切なことだと思いました。
1日のうち、ちょっとでも、本気のものを見たり、美しいものを見て自分自身を満たす時間を持つこと。
そのことが、本来の自分をいかすことのできる力につながるのではないでしょうか?
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